もっと知ろう世界の森林を
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1. 針葉樹の中で唯一増殖を続けるマツ属の話
  元王子製紙 甘利 敬正 氏
古くから日本人に親しまれてきた松が生活や文化の発展とともに人々の関心から遠ざかってきている。一方地球規模で見ると、松は針葉樹の中でもっとも品種が多く、依然として種が増えていて世界に100種以上が分布している。日本以外で、松が人の関係でどのような歴史を経てきているかは興味ある事柄である。松に関する欧米でのエピソードを5編のエッセイで紹介する。
2. 岐阜県立森林文化アカデミーのこと
  岐阜県森林文化アカデミー学長 熊崎 実 氏
長良川中流に位置する美濃市は古くから和紙の産地として知られている。昨年4月、この地に「地方自治型自由学校」を標榜する岐阜県立森林文化アカデミーが誕生した。「地域が当面する問題の解決を主眼として、地域と連携しながら、既存の枠組みにとらわれない自由な高等教育(研究・教育・社会サービス)を行う」学校として、「地域に根ざした教育」、地域に密着した「コミュニティ・カレッジ」の先駆けといえるアカデミーを紹介したい。
3. インドネシア・スラウエシ島での紅茶栽培
  網野 好幸 氏
チャノキ(茶樹)の葉から作る緑茶、紅茶などは、世界の多くの人たちに古くから親しまれている。チャノキはツバキやサザンカと同じツバキ科に属し、原産地はインド・アッサムとも、あるいは中国・雲南省ともいわれている。筆者はインドネシア・スラウエシ島において初めて、アッサム種の茶樹を、植林技術を生かして栽培し、紅茶を製造した。16年にわたり現地で得た、茶園の造成と経営に関するノウハウ(育苗、植付、施肥、収穫、仕立、製茶など)を豊富な経験をもとに記述した。
4. 西ヨ−ロッパを襲った空前の森林暴風災害 −その被害の概要と対策に学ぶこと−
  (社)日本林業経営者協会 相談役 槇 道雄 氏
わが国の森林はしばしば台風による大規模災害を被ってきた。しかし森林被害への対策が復旧造林と虫害発生防止にポイントが置かれており、林業経営の存立を脅かす木材需給の衝撃に対する緩和策については関心が薄かった。ここでは、人工林造成の歴史が永く、風倒被害対策にも経験が深いフランス、ドイツ、スイスなどの西ヨーロッパの実状を紹介しつつ、人工林が成熟期を迎える時代にあるわが国が学ぶべき諸施策を提案するものである。
5. 風に吹かれて、砂に抱かれて10数年―サヘルの森(旧サヘルの会)
  サヘルの会前代表 小島 通雅 氏
サヘル地域、特に西アフリカのマリ共和国の僻地砂漠地帯での植林活動を述べている。 単に、砂漠化防止のために木を植えるということに止まらない。住民、村人との関係を重視し、そこに生活することによって、乾燥地の気候風土と人々の生活を体験化することを通して、木を植えることの意味を問う。乾燥地帯における根系を重視した植林技術の開発と、住民の植林意欲・技術促進を支援するNGO現地報告である。
6. モロッコ−その森林と林業−
  社団法人大日本山林会会長 小林 富士雄 氏
地中海対岸のヨーロッパと異なり、アラブ民族の歴史やイスラム教の伝統で、ヒツジなど草食動物の放牧が林地でも広く行われてきたことが土壌浸食を招き、森林再生を困難にしてきた。 大西洋、地中海沿岸平野は比較的雨量が多い(600-800mm)ため、麦類、豆類、トウモロコシ、いも類が栽培され、又他地域でも灌漑農業が行われているほか、オレンジ、オリーブ、ブドウの栽培も盛んである。内陸は東西に走るアトラス山系南の砂漠につながっている。森林は主にアトラス山系沿いに面積約450万ha(森林率9%)あり、北アフリカのなかでは山岳地帯に比較的多くの良い森林が残っている。このほかは生産力の低い牧野、荒廃林地が多い。主な森林樹木はQuerucu silex(薪炭材のカシ)、コルクガシ、Thuya、Arganiaが多い。またアレッポマツ、フランスカイガンショウ、ユーカリなど植林が広く行われている。林産物のうちコルクは輸出品として重要である。この国の森林は国土保全のほか燃料供給源として重要視されている。フランスの植民地時代の影響で森林の管理や教育の組織はかなり整っている。
7. 最近の製紙原料事情と今後の展開
  日本製紙連合会 副理事長 渡辺 恒 氏
 戦後の紙の需給は、経済の成長と並行して増加を続け、現在はアメリカに次ぐ世界 第2の製紙大国となっている。その製紙産業の帰趨を制するものは原料と言われ、原料のパルプ材の調達構造は時 代とともに大きく変化してきている。本稿は、そうした原料=パルプ材調達の現状及び調達構造の変化,特徴について分 析するとともに、今後の原料調達の展望と課題の摘出を試みたものである。
8. 世界のポプラと中国におけるポプラ植林
  (社)海外産業植林センター 小川 章 氏
 数ある樹木の中で、「ポプラ」は日本人にとっても馴染みの深い種類である。しかし、そのルーツや植林については、林業関係者を除くと余り知られていない。本稿では、先ず世界のポプラについて紹介し、次いで、植林が積極的に進められている中国を例に、ポプラの有望品種や生長について概観した。




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  jopp@jopp.or.jp



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