事業・調査紹介

産業植林関連事業

2000/09/18

【産業植林適地の発掘調査】
ウルグアイ東方共和国(1999年度)

目次
  1. はじめに
  2. 調査の目的
  3. 団員の構成
  4. 調査日程
  5. 面接者リスト
  6. 要約(上述)
  7. 一般情勢
    1. 国勢
    2. 自然的条件
    3. 社会経済的条件
    4. 日本、ウルグアイ関係
  8. 林業政策と関連法令
  9. 行政機関と試験研究機関
    1. 行政機関
    2. 試験研究機関
  10. 植林事業の現状
    1. 天然林
    2. 人工林
    3. 人工林の成長量
  11. 植林投資環境
  12. 林産工業と木材貿易
    1. 木材生産
    2. 林産工業
    3. 木材貿易
  13. 植林企業の現状
  14. 植林適地の現状
    1. ユーカリ植林適地
    2. 西部ウルグアイ河沿岸地方
    3. 北部地方
    4. 中央部地方
    5. 東部地方
  15. 植林技術の現状
    1. ユーカリ植林技術
    2. 労働力の現状
    3. 植林コスト
  16. 伐出作業
  17. 環境への影響
  18. インフラの現状と課題
    1. 道路事情
    2. 鉄道事情
    3. 港湾事情

参考文献
写真

要約
  1. 気候、地形および土壌に恵まれたウルグアイにおいては、これまで国土の80%以上を占める牧草地で国内および欧米向けの食肉生産を行ってきたが、政府が世界の木材需要を背景として国内外の投資家による植林事業の振興策を整えたことが効果を発揮し、特に1990年代になってから急速にユーカリとマツを主体とした植林が進行している。
    植林振興策としては、1987年の新森林法の制定に引き続き94年までに植林経費の助成、関係諸税の免除、融資の3面において優遇措置が整備されてきた。
    1998年末現在、75年から植林されてきた面積だけで約410千haとなっている。Eucalyptus globulus(E. globulus ssp. maideniiを含む)だけを見てもその植林面積は約160千haを占め、特に97年、98年における植林面積は年間30千haを超えている。
    この植林事業は専業の企業が中心となって積極的に行なわれており、この傾向は今後しばらく続くものと推測できる
  2. ウルグアイにおける植林は、土壌調査に基づいて政府が定めている植林奨励地域において主に行われてきている。大きく4区分された奨励地域毎の特徴は次のとおり。
    1. 西部地方(ウルグアイ河沿岸地方)
      COFUSA、 EUFORES、 Caja Bancaria、 Idalen、 Forestal Orientalなど、海外資本が参加した企業、団体などにより40千ha以上のE. globulusの植林が行われてきている。
      E. globulusは現在4〜5年生までの人工林が多く、その成長は良好で、10年の伐期ではおよそ23 m3/ha/年程度の林分成長量が期待できる見込みである。このような趨勢から、各企業は協調してウルグアイ河岸のフライ ベントス(Fray Bentos)港の拡大整備と、周辺に工業団地を建設する計画を進めている。
    2. 北部地方
      タクアレンボ(Tacuarembo)、リヴェーラ(Rivera)両県の標高約300 mの丘陵地帯に、Paso Alto社が主として植林を進めてきており、E. grandis が多いがE. globulusだけでも約20千ha以上がすでに植林されている。ユーカリの成長は国内で樹高の伸びが現在もっとも優れ、10年の伐期ではおよそ30 m3/ha/年程度の年平均成長量が期待されている。しかしE. globulus ssp. globulusについては、4〜5年生で霜や高温多湿などの気象害を受け、今後の成長が危ぶまれる症状も現れてきている。また地理的にはいずれの港からも距離は遠い。
    3. 中央部地方  奨励地域の分布としてはドゥラスノ(Durazno)県が中心で、E. globulusは約10千ha植林されてきている。成長状況はほぼ北部地方と同等とみられるが、地理的にいずれの港からも距離は遠い。
    4. 東部地方
      この地方はE. globulusの植林比率が高く、その人工林面積は全体で約76千haになっている。中でも地理的に有利なラバジェッハ(Lavalleja)、マルドナード(Maldonado)、ローチャ(Rocha)の南東部3県だけを見ると、Diano社が中心となり約50千ha近い植林を行なってきている。特にこの数年の植林実行が急増しており、また植林奨励地面積に対する植林実行率は他の地方に比べて低く、海外の投資家による土地の購入も進んでいることから、今後さらに実行面積は増えていくものと推測できる。
      すでにユーカリの生産材はモンテビデオ(Montevideo)港に輸送しているが、将来についてはラ パローマ(La Paloma)港とそこに連絡する鉄道網の建設計画に期待がかけられている。
      成長状況は、他の地方に比べると初期の成長が遅いが、10ないし11年の伐期では西部地方に近い20m3/ha/年強の年平均成長量が期待できる見込みである。
  3. 今後E. globulusの植林事業を計画するに当たっては、次のような点に特に留意する必要がある。
    1. E. globulus の年平均成長量は、現在までのところ北部地方がもっとも大きいが、霜などの気象害も懸念され、かつ貿易港から 400km以上の遠い輸送距離が難点である。一方、西部地方ではすでに企業による植林事業が積極的に行われてきており、今後新しく植林を進める適地は奨励地域内では非常に少ない状況になっている。したがって、植林が遅れていた上記の南東部の 3 県が今後の植林事業地域として注目され、ラパローマ港からおよそ130km圏内において、現時点で約150千haのE. globulus の植林適地が存在しているとみられる。
    2. 積出し港については、現在のところ外洋に面したラ パローマ港の建設計画が明確に進んでいない状況である。またモンテビデオ港も現在までバンドル巻き丸太の形態で積出している状況であり、チップ積出しの施設を建設できる見通しはない。
    3. 植林事業の技術については、地拵えから収穫まで地形に恵まれていることから十分機械化を図る作業が可能である。すでに民間に請負事業体も存在しており、林業労働者の技能研修も政府主導で行われてきている。
    4. 国内には、国内外の資本投資の参加を募っている植林企業も事業活動を展開しており、今後さらにE. globulus の植林と、これから生産される木材を利用する国内林産業の発展、および国際的な木材流通が盛んになることが予想される。
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