事業・調査紹介

産業植林関連事業

2000/11/16

【産業植林適地の発掘調査】
オーストラリア・ダーウィン地区(2000年度)

目次

はじめに
ダーウィン地区位置図

  1. 調査の目的と概要
    1. 調査の目的
    2. 調査員の構成
    3. 調査日程
    4. 面談者リスト
  2. 要約
  3. 調査の目的と概要
    1. 北部準州の一般指標
    2. 自然的条件
    3. 社会経済的条件
  4. 林業政策と関連法令
    1. オーストラリアの林業政策
    2. 北部準州の林業政策と関連法令
  5. 行政機関と試験研究機関
  6. 調査の目的と概要
    1. 天然林
    2. 人工林
    3. 林産業と木材貿易
  7. 植林投資環境
    1. 投資概況
    2. 投資審査
    3. 税制改正
    4. 優遇措置
    5. 土地リース制度
    6. 労働力
  8. 森林と林業
    1. 地形
    2. 植生
    3. 気象
    4. 土壌
    5. 土地所有形態
    6. ダーウィン地区の植林候補地の面積推定
  9. 植林事業の現況および課題
    1. 成長結果
    2. 成長量予測および適正樹種
  10. 環境への影響
    1. 植林に対する作業方法の指針 (Code of Practice)
    2. 地球温暖化問題
  11. インフラの現状
    1. 道路・鉄道事情
    2. 港湾事情
  12. 植林コスト推定

写真

参考文献
  1. Tiwi Island Acacia Project No. 2 (概要)
  2. Guidelines for Applications for Unprocessed Wood Export Licences
  3. Guidelines for Clearing Pastoral Lands (英文)
要約

自然条件
1)森林の現況
北部オーストラリア準州の森林面積約35.4百万haは、約100%天然林であり、人工林はわずかに6千haにすぎない。そのほとんどは非常に緩やかな起伏のある平原で海岸部には湿地帯が存在する。
天然林の林相はユーカリ林88%、アカシア林7%、その他5%、林型別では中林77%、低木林23%で高木林見られない。乾季には下草は少ないが、雨季にはかなりの下草が繁茂する。
保有形態別では私有林32%、公有林57%、自然保護ぞの他11%となっている。

2)気象条件
現地は雨季・乾季が明確で、4月中旬〜10月中旬の6ヵ月間は乾季、それ以外の時季は雨季にである。年間の降雨量は、今回の現地調査で訪れたダーウィンでは1,700mm、ダーウィンから約150km内陸部のDouglas dalyおよび約100km離れたMt.Ringwoodでも1,000〜1,200mmの降雨量がある。しかし、気温は30℃を越える熱帯地域であり、かつ雨季・乾季に分かれていることもあり、これまでに開発された他の植林地に比べ林木の成長条件としては厳しいものがあると思われる。
広大な平原であり雨季にはかなりの面積が水没することがある。これが植林事業実行に及ぼす影響等について考慮する必要がある。

3)土壌条件
FAO/UNESCO作成の土壌図によれば、ダーウィンから半径250km以内ではおよそ50%に相当する地域は植林が可能と見られる。

社会的条件
1)土地の所有権
植林用地として利用可能と見られる大部分の土地は、すでに牧場用地(一部には農業用地もある)として国(州)からリースを受けたものである(Pastoral Lease地)。
したがって、植林用地としてこれらの土地を利用する場合、すでにリース権を持っている牧場主または農家からSub-leaseを受けるか、あるいはリース権の買取となる。現状では豪州国内の他地域に比べて遥かに廉価な料金でリース可能と思われる。
なお、原住民との関係については、さらに詳細な調査が必要である。

2)労働力
調査対象地域の人口密度は極めて低いので、植林事業は人力作業を省き、最初から機械化作業で対応することが必要である。

3)植林投資環境
この地域の林業はいまだ「産業としての林業」という段階には至っていないと言えよう。「林業は農業に含まれる」という関係官庁における事情聴取からもこのことは理解できる。
また、現在この州においては植林事業に対する優遇措置は無い。
北部準州からの木材チップの輸出には輸出ライセンスの取得が必要である。

4)環境への影響
この地区における植林事業は、すでに伐開された面積が非常に少ないことから必然的に天然林の伐採を伴う。
北部準州政府は植林事業に前向きであり、「現在ほぼ成案となった植林に対する作業方法の指針(Code of Practice)に添って実行すれば問題は無い」また地元の土地所有者も「何ら問題は無い」と言うが、連邦政府の対応および環境団体の動向については留意する必要がある。

インフラストラクチャー
通信、道路、および港湾関係などは整備されており、事業実施に当たり問題は無い。ダーウイン東港は現有施設の拡張事業が進行中であり、ここを将来木材チップ加工施設用地として利用することも可能である。

試験植林
1)1997年より王子製紙(株)および丸紅(株)によつて、平均降雨量1,300〜1,500mmの沿岸部4個所および1,000〜1,150mmの内陸部 4個所、合計8個所で実施された試験植林は、アカシア4樹種、ユーカリ(カマルドレンシス)およびユーカリ交雑種5種類、合計10種類の産地試験として貴重な成果をもたらしている。

2)試験植林地はこれまでの3年間にハリケーン、洪水等にも遭っているが、海岸地帯の植林地は成長量、生存率とも良好な成績を残している。

3)2001年1月の成長量調査の結果、沿岸部ではAcasia mangium、A.crassicarpaおよびA. auricaliformisが植栽樹種候補として挙げられ、これらのMAIは15〜20m3/ha/yearが期待されている。一方、内陸部ではA. mangium、A. auricaliformisおよびA. aulacocarpaが候補として挙げられるものの、これらのMAIは沿岸部より低いと考えられる。

産業植林の可能性
上記の各項目で述べたように、今後さらに調査の上検討を要する点はあるものの、 1) 現地には植林対象地となりうる広大な面積があり、雨季の水没等により除地となる部分等を考慮しても植林可能面積は充分存在する。
2) アカシアのうち数種類については、ある程度のMAIは期待できると見られる。
3) 道路・港湾等インフラはすでに整備されており問題は無い。
このような観点から現地における産業植林の可能性は大きいと言えよう。

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